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NO.2
「新一年生保護者会の話」その2

前回に引き続き、、坪田耕三先生が副校長を務める筑波大学附属小学校の新一年生保護者会でお話しされた内容を掲載します。

さて、これら躾の他にも、よいお子さんになってもらうために、あと2つの希望を付け足したいと思います。
1つは、「素直な子になる」、もう1つは「品のよい子になる」ということです。
まず「素直な子になる」ということについてお話しします。
これから、少しずつ勉強が始まりますが、たぶん皆さんのお子さんは、どんな勉強もよくできることでしょう。
結構先取りして勉強している子もいますので、中には、二年生で勉強することでも、「僕は、九九も言えるよ」なんて言う子もいるかもしれません。
しかし、この学校では、先生方は、そんなことを望んではいません。
一言で言えば、「好奇心旺盛な子」を望みます。
学校での学びをふくらますことが出来るかということです。
国語のちょっとした文章に触れて、その作者の別の本を読むとか、さいころを使って遊ぶ子が、その目のつき方に興味を持つとかいうように、数や形に関する感覚を磨くような子になってほしいのです。

好奇心旺盛な子の特徴は、3つあります。
その1つは、「疑問が起こると、なんとかその仕組みを知ろうとする(知識欲旺盛)」ことです。
2つ目は、「見ただけでわかったつもりにならない。実際に自ら確かめようとする(思考欲旺盛)」ことです。
3つ目は、「失敗を繰り返しながら挑戦する(体験欲旺盛)」ことです。
おうちの方には、この応援をしてほしいわけです。
白川英樹先生のノーベル化学賞受賞は、記憶に新しいことです。この筑波大学の先生でした。名誉なことですね。
白川先生のご著書を拝読しますと、現代の学生は学力が低下したと言われているが、ご自分は、そうは思わないということを述べておられました。
最近の若者は、ただ、好奇心がなくなっているだけであるということを言っています。
それは、身の回りが、その好奇心を欠如させる環境になっているということなのです。
1つには、周りの物がふたをされていて、中を開けてもその仕組みがわからない。興味をもっても、らちがあかないということでした。
私の教え子に、算数の時間、「電卓」の裏蓋をドライバーで開けてしまった子がいました。
きっと、中でどんな計算をやっているか見たかったにちがいありません。
でも、開けてみると、そこには小さなチップが入っていただけ。好奇心は解消されません。
そこで、蓋を閉めるときに表示窓の偏光グラスを逆さまにして、他の子の電卓とは数字の色が逆転して、喜んでいました。
そんなことができるくらいの喜びでは子どもの興味には対応できません。
2つには、映像のよい教材ができすぎているということです。
最近では「ビデオ教材」や「パソコンソフト」にいい物がたくさんあります。
しかし、それを見て学習しても、実際に手を使って納得していなければ、ただ、わかった気になっているだけということになります。
実感の伴った納得が得られなければ好奇心は満足されないし、本当の学習とはならないと思います。
3つ目には、教える体系ができすぎているということです。
先生には耳の痛いことですが、教科書の教師用指導書には、子どもが的を外さない教え方のレールが敷いてあります。
このとおりにやれば、大方の子は間違えずに先に進めましょうが、自分で試行錯誤しながら進むという体験ができません。
先生が楽をするための授業をするのではないのです。子どもが本当に発見する体験のために何が必要かを考えなければなりません。
こんなことが白川先生のお書きになったことにありました。例は私が勝手に考えたものです。
子どもの好奇心に培うということは、本当に大切なことでしょう。
我々には、心してかからないといけない言葉だと受け止められます。