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NO.6
関 心

前回の「算額」に引き続き、算数的な発見のお話です。遠出をした場所で、身近な場所で、関心を持ってみればおもしろいものをたくさん見つけられます。お子さんと一緒に算数探しをしてみてはいかがでしょう。

休み前に子どもに配っている「算数だより」で、出張先の街に見つけた素敵な建物の話を書いた。
「『水戸芸術館』には高さ百mの塔がありました。しかも正四面体がどんどん上に積み重ねられた塔です。あまり高いので写真には全部入りません」と、こんな紹介。
長い休みになると、子どもは授業からの興味を拡げる。例えば、家族で出掛けた折りに、算数の目から面白いものを見つける。
休み明け、S君からの報告。
「春休み、家族で宇都宮の美術館に行きました。庭に面白いオブジェがありました。見る角度によっていろいろな形に見えました」こう言って、堀内正和氏の作品を写真付で紹介した。立方体が三つくっついたような立体。S君はパンフレットの展開図を参考に、同じものを厚紙で作ってきた。なかなか素敵なので、副校長室のテーブルの上に飾る。
他の子どももいろんなものを見つける。箱根は「彫刻の森美術館」で、正四面体の角を切った「オクテトラ」なる立体彫刻を見て「算数は芸術だ」と言った子。いつも通っている水泳教室の天井に四角錘の明かり窓を発見し、管理人さんに頼み込んで屋上に上げてもらった子。歩道の敷石に敷詰め模様を見つけ「ペンローズ・タイル」についての専門的な本を調べた子……。
ちょっとしたきっかけで、子どもの心に何かしら興味の種のようなものが芽生え、それが膨らみ、頭のどこかに残る。すると、「選択的注意」が働き、ひょんなときにそれが表に出てきて新たな発見となる。関心の度合いが強ければ注意が喚起される。
喫茶店で友人と雑談。周りの人もそれぞれに話。物理的には外の音が耳に入ってきても、関わりがないのでそれほど気にならない。しかし、その中で少し離れた所から「教育……」などという言葉が発せられれば、即座にそちらを振り向く。自分が教育に深く関わっているからだ。
子どもたちが、授業に深く関心を抱けば、そこに強い興味が湧き、いずれそのことに選択的注意が起こる。そんな子どもの心に火を付ける授業をしたいものである。