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NO.10
朝 活

学校は、授業だけが学ぶ場ではありません。今回は、朝の活動で得られる、大切な学びについてお話です。

「朝の活動」、略して「朝活」。一時間目が始まる前に、およそ三十分、担任と子どもたちが自由に過ごす。クラス毎に、何をやってもいい。どこも、八時前から担任と一緒に運動場に出てドッジボールやマラソンをやる。たまには教室で合唱したり、劇をやったりしているところもあるが、概ね外でドッジボールだ。子どもは夢中でゲームに興じる。一緒に仲間に入ってやる先生もいれば、コート中央で審判を決め込む先生もいる。先生も子どもも毎日のことであまり意識してないが、この時間が子どもにとってなかなか善いのだ。
早朝の運動で体が目覚める。機敏に動き回ることで体や頭がしゃきっとする。一時間目の授業にすんなり入っていける。
また、ドッジボールという競技が子どもの社会性を育てる。時にはボールがまともに顔にぶつかる。当然泣き出す子もいる。痛いのだがじっと我慢して唇をかみしめる子もいる。ボールを投げた子はといえば、これまたすぐに「あっ、ごめん」と声を掛ける子もいれば、黙っていてみんなから批難される子もいる。見ている子は、知らん顔を決め込んだりすぐ傍に飛んでいって心配してやったりいろいろだ。
顔面はセーフだと言う子もいれば、顔面だってあたったことに変わりはないと主張する子もいる。なかなか五月蝿い。
そんなあれこれの中で、子どもは「世の中」を学ぶ。顔にボールを受けた子は、今度は注意してボールから目を離さない。他の子が同じ目に遭えば直ぐに傍にかけつける。ボールを投げる子も次からは相手をよく観る。そして、上手もいれば下手もいる現実と、だからといってそれだけが全てではないということも知る。
先生は、そんな子どもの様子をじっと見て、危険の無い限り黙って子どもが自ら学ぶ機会を大事にする。どんな子も痛い目にあったりこれでいいのかと考えたり、立場を変えながら様々な経験をする。
少しずつ他人に対して優しくなる。
朝活ドッジボールにはそんな善さが隠れている。