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NO.17
興 味

子どもの頃、算数が好きでしたか。今回は、子どもにとっての勉強がどうあったらよいかについてのお話です。

算数が好きですか、嫌いですか。理科は好きですか、嫌いですか。最近は、こんな興味調査が多くなった。好きと言わせることを目標にした研究もある。私はこのことに憂いを感じる。 「好きこそものの上手なれ」といった言葉もあって、当然、何かに学ぶ価値を見出して、そのことを追究し続けている子どもは、それが好きに違いない。だが、その子自身には、果たして「好き」といった感情の意識があるのだろうか。
私はこの「好き」だ「嫌い」だという感情は大変に浅薄なものではないかと思う。
かなり昔のことではあるが、テレビのある教育番組のこと。外国の学校で、そこに通う素朴な子どもたちに、いろいろとインタビューがなされていた。その一場面が今でも鮮明に残っているのである。
記者が子どもに聞いているのだが、「あなたは、クラスの先生が好きですか」というものだった。このとき、聞かれた子どもはきょとんとしたまま「なぜ、そんな質問をするのですか」と聞き返した。
この子どもは、自分たちの先生を好きとか嫌いとかいう気持ちから見たことは無いという風であった。自分たちの先生は彼らにとって無くてはならない大事な存在なのである。そのような対象に、好きとか嫌いとかという感情は相応しくないのである。言葉には表現できそうにないもっと大切なものなのである。このとき私は、そういう子どもの心に対して、記者はなんだかあまりにも浅はかな質問をしていると感じた。
このことと同様、本当に大切な勉強は自分にとって無くてはならないほどの存在であって、好きとか嫌いなどという対象以上のものなのではないかと思うのである。
傍から見ていて、あの子は算数が好きなのだとか、音楽が好きなのだといった程度はいい。子どもに好きか嫌いかを尋ね、それに一喜一憂したり、カリキュラムを変更したりするなどということはすべきでない。
子どもが興味を持った、その授業を「一日中でもやっていたい」と言わしめるように教師は頑張っていくべきであろう。