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研数学館の算数・数学連続セミナー第8回
「算数授業力アップの実践と改善」
筑波大学附属小学校 学習公開・研究発表会6年生
『「角柱」の構成要素の基本的関係から発展的内容を見出し説明する』授業
研数学館の算数・数学連続セミナー第7回
「新しい学習指導要領の方向」
研数学館の算数・数学連続セミナー第6回
「公開授業研究会」
研数学館の算数・数学連続セミナー第5回
「ハンズオン・マス研究」その2
研数学館の算数・数学連続セミナー第5回
「ハンズオン・マス研究」その1
研数学館の算数・数学連続セミナー第4回
「小学校算数の基盤となる数学」その2
研数学館の算数・数学連続セミナー第4回
「小学校算数の基盤となる数学」その1
研数学館の算数・数学連続セミナー第3回
「考える子どもを育てる」
静岡県芝川町立芝富小学校
研究発表会2
静岡県芝川町立芝富小学校
研究発表会
静岡県立富士高校
PTA講演会
『算数授業研究』公開講座
「「好き」が支える本当の学力」第2回
研数学館の算数・数学連続セミナー第2回
「自作教材の作り方」その2
研数学館の算数・数学連続セミナー第2回
「自作教材の作り方」その1
筑波大学附属小学校
学習公開・研究発表会
研数学館の算数・数学連続セミナー第1回
「学力テストをいかに授業に活かすか」

5.多様な考えを取り扱う際に留意すること

もちろん、多様に考える取り扱いを考えておくのは必要です。たとえば、多様な考えのまとめ方というのは次のように何パターンかあるわけです。
○いろいろな考えを出しておいて、その全部をまとめるようなことを考えさせる
○それぞれひとつひとつが特徴的なので、それぞれの考えの特徴を言わせてまとめとする
○AよりもBの方がいいとなったら、Aを改良してBにする
○A, B, C, Dは見方を変えると、AはBと同じだ、 CはDと同じだと構造化していく
また、新潟にいらっしゃる古藤怜先生が、『算数科 多様な考えの生かし方まとめ方(東洋館出版社、1990年刊行)』という本を出されています。その中で、全部を同列に扱う、全部を統合的に見てまとめる、構造的にまとめる、順序性をつける、Aの方がBよりいいなど、いくつかのパターンをまとめておられます。そのような本を読んで我々の授業のやり方を考えていくのも大事だろうと思います。

 

この項目で一番言いたいのは、「(2)つぶやきをひろうこと」です。これを大事にしたい。前にもお話しましたが、日本の授業のいいところは、いろいろなことが自由に言えるクラスであれば、自分がはっきりしていないことも表現できるような雰囲気があります。そして「呟き」とは、糸のようにか細くてまだはっきりしなくて、自分では明確に表現できないものを口の中でもごもごっと言うことです。だから、子どもが曖昧な状態、不明確な状態のものを何か表現してみたときに、それを拾い上げていいものに育て上げていくというのが授業です。
例えば、「分数÷分数」という六年生の最後の課題。後ろをひっくり返してかけなさいと言って、みんながわかったと言ったらおしまい。それはやり方、形式を教えただけです。あとは訓練あるのみと、どんどんやればできるかもしれません。しかし、それはナンセンスな授業ですね。
「分数÷分数」をどのように計算するかというときに、子どもはこの前に「分数×分数」をやっています。上同士、下同士でかける。そういうことが子どもの頭にあったら、これは上同士、下同士をわればいいというふうに普通は思うのではないですか。教科書を先にちらっと見て、上同士、下同士はわっていないということに気づく子どもはそんなことは言えません。しかし、教科書を見ていない子どもはつぶやくかもしれません。そうしたら、そのつぶやきを取り上げたらいかがでしょう。


例えば、「3/5÷2/4」。上同士は3÷2、下同士は5÷4、あいにくわり切れませんね。
点Cを作図

そのときに一番大事なことは、3/5が2でわれ、4でわれればいいということです。そうすると、分数の3/5というのは別の言い方もある。6/10でもいいし、9/15でもいい。つまり、この数を変えてしまえばこの計算はできるということです。 5を4倍しておけば絶対に4でわれますから、上も4倍しておけばいいわけです。2でもわりたいのだから、上を2倍して下も2倍しておけばいいわけです。

点Cを作図

すると、×4と÷4はやらなくていいし、×2と÷2もやらなくていいので、「3×4/5×2」となって、いつの間にかひっくり返した数になっているということです。

点Cを作図

このやり方は、あまり教科書には載っていないかもしれませんが、このように子どものつぶやきを使ってやるということは可能ではないでしょうか。子どもが家で習ったり、塾で習ったりすることに反するような、しかし自分で素直に考えたら、そういうのでもいいのではないかなと思えるようなやり方です。子どもがぼそぼそっとつぶやくのをよく聞いて、それを生かしていくということは大事なことだと思います。